課題に斬り込んだ総会議案書
賃貸の管理状況
H様に先日お問い合わせをいただいたファミリータイプの投資用物件の管理状況と賃貸状況の調査。同じ物件内で2つのお部屋が売りに出ていた。いずれのお部屋も投資用物件となっているものの、売主側の業者様のご対応に大きな違いがあった。最初にH様にお問い合わせをいただいたお部屋の売主側業者に重要事項調査報告書に記載する内容を確認するも、3年前の物しかなく、賃貸の更新書面は直近のもののみ、賃借人様の状況も教えて頂けなかった。
一方、少し値段は高くなるが、利回りが良い方のお部屋に関しては直近の重要事項調査報告書に代わる聞き取り書面も揃っており、賃貸借契約書も入居時の内容がわかる物から揃っていた。しかも、総会議案書や総会議事録が揃っていた事で修繕積立金の値上げが最近あった事、大規模修繕工事が昨年終了した事、駐車場がある事、今年6月の総会でペットの飼育が許可された事など知りたかった内容を読み解くことが出来た。
建物の管理状況
また、自主管理物件ながらしっかりとした総会議案書が作成されており、その中で理事会の役員の成り手が不足しており、その解決策についても協議されていた。問題点として輪番制で役員が回ってきた際に「仕事が忙しい、親の介護が必要となり時間が無い、子供が小さく理事会に参加する時間が作れない、高齢となって対応出来る自信がない」などの意見が出ているそうだ。そこで役員に選ばれた方が役員をパスする場合は1年間、月3万円の免除費用を負担する案が出ていた。
実に面白い案だ。総会では月3万円は負担が大き過ぎるとの意見が多く否決されていたが、役員を引き受けない場合の負担が大きく無ければ安易に免除する事が出来てしまい、結局は面倒な事を他人に押し付ける事なる。引いては自分達の住んでいるマンション全体の管理を誰もしない事になるとの意見が一方ではあり、再度議題に上程されるらしい。当事者意識が不足していてはマンション管理は務まらない。H様の目にどう見えるかは分からないが個人的には自主管理物件としてはかなり良い状況にみえる。良い記録を読めて後学になる経験となった。
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